死亡後の手続き一覧チェックリスト|7日・14日・3か月・4か月・10か月・3年

家族が亡くなった後の手続きを、期限の早い順に並べたチェックリストです。期限日はご家庭ごとに変わるので、相続の期限カレンダーで亡くなった日を入れて、あなたの日付で確かめてください。

この記事の要点

  • 最初の山は7日以内の死亡届。火葬の許可も必要なので、実際には葬儀の前に出すことがほとんどです。
  • 次に10日〜14日以内の年金・健康保険・世帯主変更。役所の窓口でまとめて済むことが多い手続きです。
  • お金と財産の大きな期限は3か月(相続放棄)・4か月(準確定申告)・10か月(相続税)・3年(相続登記)です。
  • 3か月・4か月・10か月は「知った日」から数え、初日は入れません。税の期限は土日祝なら翌日に延びますが、相続放棄など民法の期間は一律には延びません。

1. 期限の早い順・一覧表

2026年6月20日(土)に亡くなり、同じ日に知った場合の例です。国民年金だけを受け取っていて、国民健康保険に入っていた方を想定しています。

手続き期限例の期限日根拠
死亡届(火葬許可の申請もあわせて)7日以内2026年6月26日(金)戸籍法86条・43条、墓地埋葬法5条
年金受給権者死亡届(厚生年金)10日以内―(国民年金のみの例)日本年金機構(マイナンバー収録者は原則不要)
年金受給権者死亡届(国民年金)14日以内2026年7月3日(金)国民年金法施行規則24条(同上)
国民健康保険・介護保険の資格喪失14日以内2026年7月3日(金)国民健康保険法施行規則12条ほか
世帯主の変更届(必要な世帯のみ)14日以内2026年7月3日(金)住民基本台帳法25条
相続放棄・限定承認3か月以内2026年9月20日(日)民法915条
準確定申告・納付4か月以内2026年10月20日(火)所得税法124条・125条
相続税の申告・納付10か月以内2027年4月20日(火)相続税法27条・33条
遺留分侵害額の請求知った時から1年2027年6月20日(日)※民法1048条
相続登記(不動産の名義変更)3年以内2029年6月20日(水)不動産登記法76条の2

例の期限日は、各条文の数え方で計算し、相続のこよみの検算テストで確かめたものです。10日・14日の手続きは数え方の解釈が窓口で分かれるため、安全のため1日早い日で示しています。※遺留分の期限は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年です(例は死亡日に知った場合)。

チェックリスト

  • 死亡診断書(死体検案書)を受け取り、死亡届を出す・火葬許可を受ける(7日以内)
  • 年金を止める手続き(厚生年金10日・国民年金14日以内。マイナンバーが収録されていれば原則不要)
  • 国民健康保険・介護保険の資格喪失、保険証の返却(14日以内)
  • 後期高齢者医療の資格確認書などの返却(死亡届で資格喪失が進む自治体あり)
  • 世帯主の変更届(残る15歳以上の世帯員が2人以上の場合など。14日以内)
  • 遺言書があるか探す
  • 財産と借金を調べ、相続放棄・限定承認をするか決める(3か月以内)
  • 準確定申告(4か月以内。必要な場合。必要な人の判定)
  • 相続人を戸籍で確定し、遺産分割を話し合う
  • 相続税の申告・納付(10か月以内。基礎控除を超える場合)
  • 不動産の相続登記(3年以内)
  • 葬祭費・埋葬料・高額療養費(2年)、生命保険金、遺族年金などの請求

2. 7日以内:死亡届と火葬

死亡の届出は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3か月以内)にしなければなりません(戸籍法86条1項)。死亡届には診断書または検案書を添付します。

戸籍法の届出期間は「届出事件発生の日からこれを起算する」とされており(戸籍法43条1項)、民法と違って初日を入れて数えます。たとえば6月20日に知った場合、6月26日が7日目です。

火葬は、死亡後24時間を経過した後でなければ行えず(墓地、埋葬等に関する法律3条)、市町村長の許可が必要です(同法5条)。多くの場合、死亡届と同時に火葬許可を申請するため、実際には期限よりかなり早く、葬儀の前に提出することになります。葬儀社が届出を代行することもあります。

3. 10日・14日以内:年金・健康保険・世帯主

年金を止める手続き

日本年金機構の案内では、年金受給者が亡くなったときの死亡届の期限は10日以内(国民年金は14日以内)です。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則として死亡届を省略できます。届出が遅れて、亡くなった日の翌日以後の年金を受け取っていた場合は、後で返還することになります。

また、亡くなった月の分までの年金でまだ受け取っていないもの(未支給年金)は、生計を同じくしていた遺族が請求して受け取れます(日本年金機構)。

国民健康保険・介護保険

国民健康保険の被保険者が亡くなったときは、世帯主が14日以内に資格喪失を届け出ます(国民健康保険法施行規則12条など)。自治体によっては死亡届の提出で手続きが済む場合もあるので、窓口で確認しましょう。会社の健康保険に入っていた方は、勤務先が手続きをします。

後期高齢者医療制度に加入していた場合

後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなったときの扱いは、自治体によって異なります。東京都文京区の案内では、死亡届を出すと資格喪失の手続きが自動的に進み、別の届出は不要とされています。資格確認書などは返却が必要で、医療機関との支払いの精算が済んでから返す扱いです。お住まいの市区町村の窓口で確認しましょう。

後期高齢者医療広域連合は、被保険者が亡くなったときに、条例の定めるところにより葬祭費の支給または葬祭の給付を行うとされています(高齢者の医療の確保に関する法律86条1項)。支給額や申請できる人は広域連合の条例で決まるため、金額はこのページでは扱いません。

高額療養費

亡くなる前の入院などで医療費の自己負担が高額になり、高額療養費が支給される場合があります。文京区の案内では、支給がある場合は亡くなった方の住所に申請書が送られるとされています。郵便を受け取れる状態にしておき、届いた案内に従って申請しましょう。高額療養費などの保険給付を受ける権利は2年で時効により消滅します(健康保険法193条、国民健康保険法110条、高齢者の医療の確保に関する法律160条)。

世帯主の変更

世帯主に変更があったときは、変更があった日から14日以内に届け出ます(住民基本台帳法25条)。亡くなった方が世帯主で、残る世帯員が1人だけの場合など、届出が要らないこともあります。

4. 3か月以内:相続放棄・限定承認

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかを選びます(民法915条1項)。何もしないまま3か月を過ぎると、単純承認をしたものとみなされます(民法921条2号)。

借金がありそうなとき、財産の全体が分からないときは、この期限がもっとも重要です。3か月以内に決められないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます。数え方や土日祝の扱いは相続放棄の期限3か月の数え方で詳しく解説しています。

5. 4か月以内:準確定申告

年の途中で亡くなった方に申告が必要な所得がある場合、相続人(包括受遺者を含む)が、1月1日から亡くなった日までの所得を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をします(国税庁 No.2022、所得税法124条・125条)。

相続人が2人以上いるときは、原則として各相続人が連署して提出しますが、他の相続人の氏名を付記して別々に提出することもできます。提出先は、亡くなった方の死亡当時の納税地の税務署です(国税庁 No.2022)。

国税庁の例では、12月1日に亡くなった場合の期限は翌年4月1日です。申告が必要かどうかは、亡くなった方のその年の所得の状況によります。迷ったら税務署で確認しましょう。

6. 10か月以内:相続税の申告と納付

相続税の申告が必要なのは、相続や遺贈で取得した財産の価額の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合です。基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します(国税庁 No.4152)。

申告と納税の期限は、被相続人が死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内です(国税庁 No.4205、相続税法27条)。国税庁の例では、1月6日に亡くなった場合はその年の11月6日が期限で、期限が土日祝などに当たるときは翌日が期限とみなされます(国税通則法10条2項)。期限までに納めないと延滞税がかかることがあります。

相続税の「法定相続人の数」は、相続放棄をした人がいても放棄がなかったものとして数え、養子は実子がいれば1人まで、いなければ2人までを数えます(国税庁 No.4152)。民法の相続人の数え方とは違うので注意しましょう。

7. 1年〜5年:遺留分・相続登記・給付の請求

  • 遺留分侵害額の請求(1年):遺言や生前贈与で取り分が大きく減った相続人(兄弟姉妹以外)は、相続の開始と侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年、または相続開始から10年で請求できなくなります(民法1048条)。
  • 葬祭費・埋葬料・高額療養費(2年):国民健康保険・後期高齢者医療の葬祭費、会社の健康保険の埋葬料、高額療養費は、2年で時効になります(国民健康保険法110条、健康保険法193条、高齢者の医療の確保に関する法律160条)。
  • 相続登記(3年):不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります(不動産登記法76条の2)。2024年4月1日より前の相続でも対象です。詳しくは相続登記の義務化で解説しています。
  • 生命保険金(3年が目安):保険金を請求する権利は3年で時効になります(保険法95条)。実際の扱いは保険会社の約款で確認しましょう。
  • 遺族年金(5年):年金を受ける権利は5年で時効になります(国民年金法102条)。

8. 期限はないが早めに:遺産分割と預貯金

遺産分割には法律上の期限はなく、共同相続人は「いつでも」協議で分割できます(民法907条1項)。ただし、相続税の申告や相続登記には期限があるため、実際にはそれまでに話し合いをまとめる必要があります。話し合いがまとまったら、内容を遺産分割協議書にします。

亡くなった方の預貯金は、遺産分割の前でも、各相続人が一定の範囲で単独で払い戻しを受けられます(民法909条の2)。上限は「相続開始時の残高の3分の1×その相続人の法定相続分」で、さらに金融機関ごとに法務省令で定める額(150万円)が限度です。くわしくは亡くなった人の預貯金の払戻しで解説しています。

9. 期限の数え方の共通ルール

  • 民法・税の期間は初日を入れない:「3か月以内」「10か月以内」は、知った日の翌日から数え、3か月後(10か月後)の同じ日付が期限です。同じ日がない月は月末です(民法140条・143条、国税通則法10条1項)。
  • 戸籍の届出は初日を入れる:死亡届の7日は、知った日を1日目として数えます(戸籍法43条)。
  • 税・役所の期限は休日なら翌日:税の申告・納付期限が土日祝・年末年始に当たると翌日(国税通則法10条2項)。役所への届出も、期限が閉庁日なら翌開庁日まで延びるのが原則です(地方自治法4条の2第4項)。
  • 民法の期間は一律には延びない:相続放棄・遺留分などは、休日に取引をしない慣習がある場合に限り翌日に満了します(民法142条)。前の平日までに動くのが安全です。

次の一歩

よくある質問

死亡届は誰が出しますか?

戸籍法の届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内に出します(戸籍法86条)。実際には葬儀社が提出を代行することも多く、火葬許可の申請とあわせて行います。

年金の死亡届は必ず必要ですか?

日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則として死亡届を省略できます。ただし、未支給年金を受け取る場合などは請求の手続きが必要です(日本年金機構の案内)。

相続税の申告が要らない場合でも、10か月の期限は関係ありますか?

取得した財産の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、相続税の申告も納税も不要です(国税庁 No.4205・No.4152)。ただし、相続放棄の3か月や相続登記の3年など、ほかの期限は関係します。

亡くなった親は年金暮らしでした。準確定申告は必要ですか?

公的年金等の収入金額が400万円以下で、年金以外の所得金額が20万円以下であれば、確定申告は不要とされています(国税庁 No.1600)。ただし、医療費控除などで所得税が戻る場合は、相続人が還付を受けるための申告をすることができます(所得税法125条2項)。くわしくは準確定申告の期限と必要な人で解説しています。

葬祭費や高額療養費は、いつまでに請求すればいいですか?

国民健康保険の葬祭費、健康保険の埋葬料、後期高齢者医療の葬祭費、高額療養費などの保険給付を受ける権利は、2年で時効により消滅します(国民健康保険法110条、健康保険法193条、高齢者の医療の確保に関する法律160条)。必要な書類や申請できる人は、加入していた保険の窓口で確認してください。

出典(一次情報)

いずれも2026年10月15日に確認しました。

この記事は、2026年10月15日時点の法令と公式の情報にもとづく一般的な説明で、法律・税務の助言ではありません。個別の事情(相続人の確定、期限の起算点、税額など)によって結論が変わることがあります。具体的な判断は、家庭裁判所・税務署・法務局の窓口、または弁護士・税理士・司法書士にご相談ください。

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確認者:板野 克基(株式会社ブライトアセット 代表取締役) 最終更新日:2026年10月15日(条文はe-Gov法令検索で同日に確認) 編集方針と確認の手順