法定相続情報一覧図の取り方⁠|申出先と書類

相続の手続きでは、銀行・法務局・税務署などに、何度も戸籍の束を出すことになります。法務局で一度「法定相続情報一覧図」を作ってもらえば、その写しを戸籍の束の代わりに使えます。写しは無料です。法務局の案内にもとづいて、取り方を解説します。

この記事の要点

  • 相続人が一覧図と戸除籍謄本等の束を登記所に出すと、登記官が確かめて認証文付きの写しを交付します。写しは無料です(法務局)。
  • 申出先は、被相続人の本籍地・最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所です。
  • 申出も写しの受け取りも郵送でできます(返信用封筒と切手が必要)。
  • 一覧図は5年間(申出日の翌年から起算)保管され、その間は再交付を受けられます。

この記事で分かる次の行動:戸籍を集めて一覧図を作り、4か所のいずれかの登記所に申し出る(郵送可)

1. 法定相続情報一覧図とは

被相続人と、戸籍から分かる相続人を一覧にした図です。法務局(登記所)が戸籍の束と照らし合わせて確かめ、認証文を付けた写しを交付します。平成29年5月に始まった「法定相続情報証明制度」の手続きです。

一覧図には、相続放棄をした人や、遺産分割で実際には相続しない人も記載されます(法務局)。戸籍の上での相続人を示すものだからです。

2. 使える手続き

  • 相続登記:令和6年4月1日から、申請書に法定相続情報番号を書けば、写しの添付を省略できます(この番号の扱いは不動産登記に限られます)。
  • 被相続人名義の預金の払戻し(預貯金の払戻し)
  • 相続税の申告、年金などの手続き
  • 家庭裁判所の手続き(遺言書の検認など)で、戸籍に代えて出せる場合があります

写しを受け付けるかどうかは提出先が決めます。事前に提出先に確かめましょう(法務局)。

3. 申出の手順(法務局の案内)

  1. 書類を集める:被相続人の出生から亡くなるまでの戸除籍謄本、申出人の氏名・住所を確認できる公的書類(運転免許証の表裏のコピーなど)。場合によって、相続人の戸籍や住民票などが必要です(戸籍の集め方)。
  2. 一覧図を作る:法務局の様式・記載例(法定相続分で分ける場合・配偶者と子の場合など)にならって、被相続人と相続人を一覧にした図を作ります。
  3. 申出書を書いて提出:申出書に記入し、1の書類と2の一覧図をあわせて登記所に出します。
  4. 写しを受け取る:認証文付きの写しが交付され、戸除籍謄本は返されます。

4. 申出先・代理人・郵送

項目内容(法務局の案内)
申出先次のいずれかを管轄する登記所:①被相続人の本籍地(死亡時の本籍)②被相続人の最後の住所地 ③申出人の住所地 ④被相続人名義の不動産の所在地
申出人相続人
代理人法定代理人、相続人の民法上の親族、資格者代理人(弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士)
郵送申出・写しの受け取りとも可。郵送で受け取るときは、申出書にその旨を書き、返信用の封筒と郵便切手を同封する
費用写しの交付は無料(郵送料は申出人の負担)
保管・再交付一覧図は5年間(申出日の翌年から起算)保管され、その間は再交付を受けられる。再交付の申出は、当初の申出人(ほかの相続人は当初の申出人の委任が必要)が、当初の登記所に

5. 相続関係説明図との違い

相続登記では、法務局の認証のない「相続関係説明図」を出して、戸籍謄本などの原本を返してもらう方法もあります。違いは相続関係説明図の書き方で比べています。一覧図の書き方は、法務局の一覧図の様式・記載例で確かめられます。

6. 注意点

  • 書類の不備を直すよう求められても対応がないと、書類一切が返されます。応じない場合、申出日から3か月後に廃棄されます(法務局)。
  • 一覧図は相続人を示すもので、誰が何を相続したかは示しません。分け方は遺産分割協議書で示します。
  • 数次相続などで相続関係が複雑なときは、作り方を申出先の法務局に確かめましょう。

次の一歩

よくある質問

法定相続情報一覧図の写しは有料ですか?

無料です。郵送で受け取る場合の郵送料は申出人の負担です(法務局)。

どこの法務局に申し出ればいいですか?

被相続人の本籍地(死亡時)、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所です(法務局)。

郵送で申し出られますか?

できます。写しを郵送で受け取るときは、申出書にその旨を書き、返信用の封筒と郵便切手を同封します(法務局)。

後から写しが足りなくなったら?

一覧図は5年間(申出日の翌年から起算)保管され、その間は再交付を受けられます。再交付の申出は当初の申出人が当初の登記所に行い、ほかの相続人は当初の申出人の委任が必要です(法務局)。

相続放棄をした人も一覧図に載りますか?

載ります。法務局は、一覧図には相続放棄や遺産分割の結果、実際には相続しない人も記載されると説明しています。

出典(一次情報)

いずれも2026年10月15日・16日に確認しました。

この記事は、2026年10月16日時点の法令と公式の情報にもとづく一般的な説明で、法律・税務の助言ではありません。個別の事情(相続人の確定、期限の起算点、税額など)によって結論が変わることがあります。具体的な判断は、家庭裁判所・税務署・法務局の窓口、または弁護士・税理士・司法書士にご相談ください。

関連する解説

確認者:板野 克基(株式会社ブライトアセット 代表取締役) 最終更新日:2026年10月16日(条文はe-Gov法令検索で同日に確認) 編集方針と確認の手順