相続税の申告期限10か月と、遅れたときの税金
相続税がかかる場合、申告と納付には10か月の期限があります。遺産分割の話し合いが長引いても、この期限は延びません。期限の数え方と、遅れたときにかかる税金を、条文と国税庁の案内にもとづいて解説します。申告が必要かどうかは相続税の基礎控除で判定できます。
この記事の要点
- 申告期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内(通常は死亡の日の翌日から)。納付も同じ期限です(相続税法27条、国税庁 No.4205)。
- 提出先は被相続人の住所地を所轄する税務署。相続人の住所地の税務署ではありません。
- 遺産分割がまとまらなくても期限は延びません。法定相続分などで申告し、分割後に修正申告や更正の請求をします(国税庁 No.4208)。
- 遅れると延滞税(2026年は年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%)と無申告加算税がかかることがあります。
1. 期限の数え方
| 例(架空) | 申告・納付の期限 |
|---|---|
| 国税庁の例:1月6日に死亡 | 11月6日 |
| 令和8年6月20日に死亡し、同じ日に知った | 令和9年4月20日 |
期限が土曜日・日曜日・祝日などに当たるときは、その翌日が期限とみなされます(国税庁 No.4205)。相続の期限カレンダーで、亡くなった日から期限日を出せます。
申告が必要なのは、相続や遺贈で財産を取得したすべての人の課税価格の合計が基礎控除額を超え、納める相続税額がある人です(相続税法27条1項)。ただし、小規模宅地等の特例などを使って税額が0円になる場合も、特例を受けるには申告が必要です。
2. 提出先と納付
- 提出先:被相続人の死亡時の住所が日本国内にあれば、被相続人の住所地を所轄する税務署(国税庁 No.4205)
- 納付:申告期限までに納めます。期限内に申告しても、期限までに納めなければ延滞税がかかる場合があります
- 相続人が申告前に亡くなったときは、その人の相続人が、知った日の翌日から10か月以内に代わって申告します(相続税法27条2項。数次相続)
3. 遺産分割がまとまらないとき(国税庁 No.4208)
- 期限までに申告・納付:分割されていない財産は、民法の相続分(または包括遺贈の割合)で取得したものとして計算します。
- 分割がまとまったら:税額が増えるなら修正申告、減るなら分割を知った日の翌日から4か月以内に更正の請求ができます。
- 特例:分割前の申告では、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は原則として使えません。分割後に使えるのは、原則として申告期限から3年以内に分割された場合に限られます。手続きは国税庁の案内で確かめてください。
小規模宅地等の特例などを申告で使うときは、遺産分割協議書の写しを添付します(国税庁 No.4124)。書き方は遺産分割協議書の書き方と記載例で解説しています。
4. 遅れたとき:延滞税(国税庁 No.9205)
| 期間 | 2026年の割合 |
|---|---|
| 納期限の翌日から2か月を経過する日まで | 年2.8% |
| 納期限の翌日から2か月を経過した日以後 | 年9.1% |
割合の決まり方:2か月までは「年7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」の低い方、2か月を過ぎた後は「年14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」の低い方。上の割合は令和8年1月1日〜12月31日の期間のもので、年ごとに変わります。期限後申告の場合、「納期限」はその申告書を提出した日です(国税庁 No.9205)。
5. 遅れたとき:無申告加算税
期限までに申告しなかった場合は、延滞税とは別に、無申告加算税がかかることがあります(国税通則法66条)。国税庁 No.2024 は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が来るものの割合を次のように案内しています(所得税の案内ですが、無申告加算税の割合は国税通則法で決まっています)。
| 申告した時期 | 無申告加算税の割合 |
|---|---|
| 税務調査の事前通知の前に、自主的に期限後申告 | 納める税額の5% |
| 事前通知の後、調査による決定を予知する前 | 50万円までの部分10%、50万円超300万円までの部分15%、300万円超の部分25% |
| 調査を受けた後・決定を受けた場合 | 50万円までの部分15%、50万円超300万円までの部分20%、300万円超の部分30% |
法定申告期限から1か月以内に自主的に申告するなど、一定の要件をすべて満たせば、無申告加算税がかからない場合があります(国税庁 No.2024)。期限に遅れそうなときは、まず税務署や税理士に相談しましょう。
6. 相談先
税額の計算や申告書の作成は、税理士または税務署に相談してください。この記事は期限の一般的な説明で、個別の税額の計算はしていません。
次の一歩
亡くなった日を入れるだけで、相続税の申告期限(10か月)を、相続放棄(3か月)・準確定申告(4か月)・相続登記(3年)などと並べて表示します。土日祝の扱いも反映。登録不要。
期限カレンダーを開く →見本は無料期限までに、遺産分割協議書と財産目録を作る入力欄どおりに入れると、協議書と、評価額の合計つきの財産目録を作れます。見本は無料で最後まで確かめられ、保存は7,980円プラン(買い切り・自動更新なし。保存後1年間は修正できます)。
見本を作る(無料)→よくある質問
相続税の申告期限はいつですか?
被相続人の死亡を知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内です。納付の期限も同じです(相続税法27条、国税庁 No.4205)。
遺産分割がまとまらないと、期限は延びますか?
延びません。分割されていない財産は民法の相続分などで計算して期限までに申告し、分割後に修正申告や更正の請求(分割を知った日の翌日から4か月以内)をします(国税庁 No.4208)。
どこの税務署に出しますか?
被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地の税務署ではありません(国税庁 No.4205)。
2026年の延滞税の割合は?
令和8年1月1日から12月31日までの期間は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以後が年9.1%です(国税庁 No.9205)。
申告が遅れたら必ず無申告加算税がかかりますか?
法定申告期限から1か月以内に自主的に申告するなど、一定の要件をすべて満たせばかからない場合があります(国税庁 No.2024)。個別の扱いは税務署や税理士に確かめてください。
出典(一次情報)
- 国税庁:No.4205 相続税の申告と納税
- 国税庁:No.4208 相続財産が分割されていないときの申告
- 国税庁:No.9205 延滞税について
- 国税庁:No.2024 確定申告を忘れたとき(無申告加算税の割合)
- 相続税法27条(e-Gov法令検索)
- 国税通則法66条(e-Gov法令検索)
いずれも2026年10月15日・16日に確認しました。
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確認者:板野 克基(株式会社ブライトアセット 代表取締役) 最終更新日:2026年10月16日(条文はe-Gov法令検索で同日に確認) 編集方針と確認の手順