死亡保険金の非課税枠⁠|500万円×法定相続人の数

亡くなった人が保険料を払っていた生命保険の死亡保険金は、相続税の対象になります。ただし、相続人が受け取る分には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。数え方を間違えやすいポイントを、国税庁の案内にもとづいて解説します。

この記事の要点

  • 被相続人が保険料を負担していた死亡保険金は、相続で取得したとみなされ、相続税の対象になります(相続税法3条、国税庁 No.4114)。
  • 相続人が受け取った保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税です(相続税法12条1項6号)。
  • 法定相続人の数は、相続放棄がなかったものとして数えます。養子は、実子がいれば1人まで、いなければ2人まで数えます。
  • 相続放棄をした人や相続人以外の人が受け取った保険金には、非課税が使えません。

この記事で分かる次の行動:法定相続人の数を数え、保険証券で保険料を負担した人と受取人を確かめる

1. 相続税の対象になる死亡保険金

国税庁は、被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続や遺贈で取得したものとみなされ、相続税の課税対象になると説明しています(国税庁 No.4114)。

保険料を誰が負担していたかによって、かかる税金が変わります(国税庁 No.1750)。

被保険者保険料を負担した人受取人かかる税金
父父子相続税(この記事の非課税枠の対象)
父子子所得税(一時所得など)
父母子贈与税(国税庁 No.4417)

保険証券で、被保険者・保険料を負担した人・受取人を確かめましょう(例の続柄は架空)。

2. 非課税限度額の計算

計算内容
非課税限度額500万円 × 法定相続人の数
課税される額相続人全員が受け取った保険金の合計が、非課税限度額を超える部分
各相続人の非課税額非課税限度額 × その相続人が受け取った保険金 ÷ 相続人全員が受け取った保険金の合計

3. 法定相続人の数の数え方(国税庁 No.4114・相続税法15条2項)

  • 相続放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数で数えます。
  • 養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までです。
  • 代襲相続人も含みます(代襲相続とは)。

この数は、相続税の基礎控除の「法定相続人の数」と同じ考え方です。誰が相続人になるかは法定相続分の計算で確かめられます。

4. 非課税にならない場合

  • 相続放棄をした人や、相続権を失った人が受け取った保険金:非課税の対象となる受取人から除かれます(国税庁 No.4114)。
  • 相続人以外の人(たとえば孫で、相続人でない人)が受け取った保険金:非課税の適用はありません。

相続放棄をした人は非課税を使えませんが、法定相続人の「数」には入ります。ここが間違えやすい点です。

5. 計算の例(架空)

前提計算
相続人:配偶者・子2人(法定相続人3人)。死亡保険金 配偶者2,000万円、長男1,000万円非課税限度額:500万円 × 3人 = 1,500万円
各人の非課税額配偶者:1,500万円 × 2,000/3,000 = 1,000万円/長男:1,500万円 × 1,000/3,000 = 500万円
課税される保険金配偶者 1,000万円、長男 500万円(合計 1,500万円)

課税される保険金は、ほかの財産と合わせて相続税を計算します。相続税がかかるかは基礎控除で判定します。

6. 相談先

保険の契約の形によって課税関係が変わります。具体的な税額は税理士または税務署に確かめてください。この記事は制度の一般的な説明です。

次の一歩

よくある質問

死亡保険金の非課税枠はいくらですか?

500万円×法定相続人の数です。相続人全員が受け取った保険金の合計が、この額を超える部分が課税されます(相続税法12条1項6号、国税庁 No.4114)。

相続放棄をしても保険金に非課税枠は使えますか?

使えません。相続を放棄した人や相続権を失った人は、非課税の対象となる受取人から除かれます。ただし、法定相続人の数には、放棄がなかったものとして含めます(国税庁 No.4114)。

孫が受取人の保険金は非課税になりますか?

孫が相続人でない場合、相続人以外の人が受け取った死亡保険金には非課税の適用がありません(国税庁 No.4114)。代襲相続人として相続人になっている孫は相続人です。

養子がいると法定相続人の数は増えますか?

数に含める養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までです(国税庁 No.4114、相続税法15条2項)。

出典(一次情報)

いずれも2026年10月15日・16日に確認しました。

この記事は、2026年10月16日時点の法令と公式の情報にもとづく一般的な説明で、法律・税務の助言ではありません。個別の事情(相続人の確定、期限の起算点、税額など)によって結論が変わることがあります。具体的な判断は、家庭裁判所・税務署・法務局の窓口、または弁護士・税理士・司法書士にご相談ください。

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確認者:板野 克基(株式会社ブライトアセット 代表取締役) 最終更新日:2026年10月16日(条文はe-Gov法令検索で同日に確認) 編集方針と確認の手順